【新唐人2012年7月18日付ニュース】王立軍の米領事館駆け込み事件が延焼し、失脚に追い込まれた薄熙来。4月10日、重大な規律違反のため解任すると発表したきり、その後当局による薄熙来関連の情報は途絶えていました。近日、メディアの報道によると、薄熙来は心臓病発作を起こし、北京の301病院に緊急搬送され、治療を受けているそうです。病室周辺は厳重な警備が敷かれ、薄熙来の江沢民や胡錦涛主席との面会要求は許可されなかったそうです。
香港の“明鏡(めいきょう)月刊”によると、薄熙来は職を解かれてから一度は北京懐柔(かいじゅう)県の秘密地点に軟禁。その後、北戴河(ほくたいが)に移され、中央紀律委員会の調査を受けていたそうです。
およそ3週間前、薄熙来は突然心臓発作を起こし、北京の301病院に搬送され、高官専用の病室で治療を受けているそうです。
報道によると、中央紀律委員会の調査を受けていた期間中は武装警察による厳重な警備の下、軟禁されている住所内では自由に活動することが許され、制限付きで親族との面会も許されていたそうです。一方、薄熙来は胡錦涛主席、江沢民、習近平副主席、周永康との面会を求めたものの、許可されなかったといいます。薄熙来と面会した人によると、薄熙来は前よりだいぶやつれていたそうです。
ここ数ヶ月間、薄熙来に関するうわさは絶えませんでした。時事評論家・章天亮(しょうてんりょう)さんは、共産党第18回大会前に薄熙来への処分が決まる可能性が高いと分析します。
時事評論家 章天亮さん
「胡錦涛にとっては薄熙来問題の処理を通じ、党内の威信を樹立し、軍委員会主席連任が狙えます。習近平にとって見れば、胡・温がこの一大事を18大会以降に延ばし、自分に押し付けてほしくないのです。薄熙来への処理は当初温家宝が主張したからです。処理期日が近づいてくるほど、各種情報を流してほしいわけです」
報道はまた、16年判決を下された元北京市共産党書記・陳希同(ちんきどう)や18年判決を下された上海市元書記陳良宇(ちんりょうう)に比べ、薄熙来の共産党上層部とのつながりは更に深く、薄熙来問題の処理方法は胡錦涛主席にとっても、習近平次期主席にとっても試練であると報じました。
これに対し、香港のアップルディリーは、この報道は当局が“水温を計るための”情報流しの可能性もあり、当局の決定に影響を与えたい薄熙来支持者の情報流しの可能性も排除できないと分析。
一方、アメリカの学者・周さんは、政府の不透明さが様々な憶測を呼んでいると指摘します。
米ヨークカレッジ学者 周沢浩さん
「政府の透明度が低いので、もし相対的に透明であれば、また独立メディアの監督があれば、様々な憶測を呼ばなくて済みます。健全な社会、民主社会、前進する社会であれば、この面で求められるはずです」
報道はまた、当局は党大会前に王立軍を反逆罪で、谷開来と張暁軍に対しては刑事犯罪でそれぞれ審判を行い、薄熙来については来年の全人代以降に罪名が確定するだろうと報じました。
ネット作家 呉建国さん
「薄熙来の案件は本来そんなに複雑ではないはずです。あれだけの罪行が暴かれたのだから、胡・温は中の幾つかの罪だけでも、充分彼の罪を定められるはずです。問題は胡錦涛がこの事に対し賢明な処理ができるかどうかです。薄熙来の罪はあれだけ暴かれたのだから、法律に基づいて処理してこそ民心を納得させます」
時事評論家の章さんは、胡錦涛主席と温家宝首相の他の事に対する処理態度はともかく、薄熙来および人道に反する罪を犯した江沢民派の処理において、正確な一歩を踏み出すことができるのであれば、支持すべきだと示しました。
新唐人テレビがお伝えしました。
(翻訳/坂本 ナレーター/萩野 映像編集/工)